Archive for 2009
競売物件が急増し、2009年8月の全国競売物件数は前年同月比1.3倍の7344件です。住宅ローン破たんによるマンションや戸建住宅が増えているようです。リストラ等で2009年夏ボーナスが返済不能となったケースでは今年末、この冬のボーナスでなら来年の春以降の競売です。これからも増えます。
背景には住宅ローンがあります。10年間は金利が低く11年目から高くなる段階金利制度です。利用者のピークは金利が過去最低2%となった1998年です。この時期に申し込んだローン利用者の返済金利が10年後に2008年11月に4%に引き上げられ、そこに不況が直撃しています。(週刊東洋経済2009.10.10.)
1998年とはどういう年だったでしょうか。1997年が山一証券破綻、1998年は大不況ど真ん中です。この1998年にも住宅ローン問題が社会問題化していました。「ゆとり償還ローン」の5年目だったのです。
更に5年さかのぼり1993年を見ないといけません。
1990年に不動産バブルは崩壊し、政府と旧建設省はゼネコン救済と景気回復のため、「ゆとり償還ローン」を開始し、建設需要を拡大します。返済額そのものを5年間だけ少なくし、その後に返済額が急増する住宅ローンです。建設需要拡大のため無理なローンを用意し国民に住宅を買わせようとしたのです。
その「ゆとり償還ローン」の5年目が大不況下で迎えた1998年なのです。リストラの嵐の中でローンの返済額が急増します。マイホームを買った人が次々破産します。自殺者が急増しました。
そんな1998年に住宅ローンを組んでマイホームを買った人が10年を経た現在、当時と同じ状況に陥っているのです。1998年はすでに物件価格が下落しましたので、それを「底値」と感じて「買い時」と思ったのでしょうか。それからも地価は下落します。
さて、今から5年後10年後はどうなっているのでしょうか。日経ヴェリタス2009.10.18.に「マイホーム、買い時は欲しい時…」との記事があります。
「『今って、買い時?』。つくづく思うのだが、その問いへの答えはひとつ、『買い時、それは欲しい時』なのだ。」…それも結構ですが、くれぐれもご注意を。
大阪府狭山市に11階建て67戸の分譲マンションが今年8月に竣工しました。このマンションは2007年2月に建築確認を受けています。
近隣住民は建築確認の取り消しを求め提訴します。
マンションの立体駐車場の設置場所が崖地にあり形質の変更であり開発行為に該当するはずで、開発許可なく建築確認がなされたのは違法との主張です。
提訴は建築確認を担当した民間検査確認機関に対して建築確認の取り消しを求めるもので、大阪地裁は9月9日建築確認の取り消しを命じました。
マンション販売元は検査済証を取得しているのだから問題なしとし販売を再開しています。すでに50戸販売済みです。(日刊不動産経済通信2009.10.2)
新築マンションの供給戸数は減少し、首都圏では在庫の消化も進んでいます。これまで用地取得を手控えていたデベロッパーのうちも財務体質の比較的良いデベロッパーがマンション用地の取得に乗り出してきています。マンション用地価格は2008年末から2009年3月までは下がっていましたが4月以降は仕入れの競合によって上昇しています。
東京都大田区では700-800坪の土地が17億円で出回っていましたが22億円に、中野区でも10億円が競合で14.5億円に、両国では半年近く引き合いのなかった5億円が7億円に。
ただこれら状況も東京都内など一部に限られ、大阪など他都市では弱く「東京の改善したエリアを10とすると大阪は3から4の状況」だということです。
((不動産経済通信20090929)
SBIグループのSBIモーゲージは、全国の保険代理店をオーナーとしてマネープラザを全国展開します。ここでは住宅ローンの斡旋仲介をします。SBIモーゲージの住宅ローンだけでなく、東京スター銀行の住宅ローンも銀行代理店として扱います。出店100店舗を目指します。(週刊住宅2009.7.6)
米国で住宅ローンを借りたり借り換えたりするには、銀行でなくモーゲージブローカーと呼ばれる住宅ローン斡旋仲介者に頼むのは当たり前です。ここでは複数の銀行ローン会社の様々な住宅ローンが用意されています。商品も違うし、顧客信用度合や自己資金状況等により有利な住宅ローンが違います。そこから顧客にあった住宅ローンを選びます。日本の複数保険会社取扱いの保険代理店に似ています。
日本でも銀行ではなく住宅ローン斡旋店舗に出向いて住宅ローンを選ぶ時代が来るかもしれません。
工務店ハウスメーカーを相談型店舗で顧客に紹介するというビジネスも根付き始めています。
リクルートは「ハウジングナビカウンター」全国9店舗で、顧客に工務店ハウスメーカーを紹介する相談サービスを行っています。消費者にとっては偶然に行きあたった工務店ハウスメーカーに頼むより間に一社入ってもらった方が断りやすいしクレームも言いやすいということになります。店舗側にとってはどこに紹介できても手数料になります。
つい数か月前には、マンション在庫を買い取って再販する「アウトレットマンション」事業が注目されていました。
アウトレットマンション事業を展開していたあるマンション販売会社は、競合が増えたことで買い取り価格が高騰し物件の市場放出も一巡したために、今後はリノベーションマンションの企画販売に舵をとることにしました。大企業の元社宅を改修しリノベーションマンションとして安く販売します。
マンションを当初分譲価格の何割引という低価格で販売するアウトレットマンションは売れ残りマンションが安く仕入れられるという前提で成り立っていました。その前提が崩れています。
(日刊不動産経済新聞2009.6.29.)
